くぼりのゲーム紹介『田んぼ -TANBO-』

くぼりのゲーム紹介『田んぼ -TANBO-』

蛇と米と、5つの田んぼ。

 

『田んぼ -TANBO-』で始める、戦略的スローライフ

「自然とともに生きる暮らし、ちょっと憧れる……」
そんな想いから新潟の田んぼに移住し、稲作を始めたあなたを待っていたのは、
のどかな稲穂とともに、水田にひっそりと棲む神聖なヘビたちでした。

『田んぼ -TANBO-』は、水田に棲むヘビと稲の数をうまく調整しながら、
おいしいお米をたくさん収穫して得点を稼いでいく“マンカラ系”の戦略ボードゲームです。

のどかでゆったりした見た目に反して、中身はかなり濃密。
 「次の一手」をめぐって悩みが尽きない、静かな熱中が待っています。


稲とヘビのバランスがすべてを決める。
自分の水田(5つの区画)をぐるぐると巡りながら、コマを1つずつ撒いていきます。
いわゆる「マンカラ」の動きで取ったコマを時計回りに置いていき、
最後に置いた先で、コマの状態に応じたアクションが発動します。

肝心なのは、ヘビと稲の数のバランスがアクションを左右する点。
例えば、稲の方が多ければ「収穫」で得点。
ヘビの方が多ければ「栽培」で稲が増える。
どちらかがゼロなら「種まき」、両方ゼロなら「休息」と、
どのアクションが起きるかは、その水田の状態にすべてがかかっています。


ヘビが怖い? いえ、彼らは神さまなのです。
水田に棲むヘビたちは、ただの“お邪魔キャラ”ではありません。
彼らは稲の成長を促し、時に収穫を助けてくれる存在。

ただし、あまりにヘビが増えすぎたり、稲の数を誤って調整すると、
思いがけず「残業」や「休息」といった不利なアクションに繋がってしまうことも。

特に「休息」では、自分が獲得していた稲を“袋に戻す”という痛すぎる展開が待っています。
 のどかな水田風景とは裏腹に、得点とリスクが常に隣り合わせのスリルあるゲーム構造が魅力です。


1点の差が命取り。稲の色で変わる得点計算。
収穫によって獲得できる稲には3色あり、色ごとに得点が異なります。

  • 黄色の稲は3点
  • 黒い稲は4点
  • 赤い稲は5点

高得点の赤い稲ばかりを狙いたくなりますが、袋の中からランダムに引く仕組みなので、運も少し絡んできます。
ただし、袋に戻す色は自分で選べるので、うまくリスク管理することで効率よく点数を稼ぐことが可能です。
得点手段が「収穫」だけに絞られている分、戦略の組み立てが非常に明快で、繰り返し遊びたくなります。


“残業”が生む、相互干渉の妙。
最もユニークなのが「残業」というアクション。
ヘビと稲の数がぴったり同じときに発動し、相手のコマ配置にまで影響を及ぼすことになります。

相手は自分のコマ2個の位置を入れ替えるかどうかを選び、
そのあと、自分は再びその水田から「撒き直し」をして、もう一度アクションを実行。

つまりこの瞬間だけは、プレイヤー同士が干渉することになるのです。
静かに自分の田んぼだけを見ているようで、実は相手の稲とヘビの配置もじっくり観察している──
 そんな無言の干渉と読み合いが、このゲームの奥深さを引き上げています。


豊作か凶作か。季節で変わる5種のセットアップ。
ゲームには「豊作」「凶作」の2つのバリアントがあり、
それぞれ5通りの初期配置から選ぶことで、プレイ感が大きく変化します。

豊作なら最初から水田にコマが多く、ダイナミックで展開が早い。
凶作なら初期資源が少なく、慎重な判断と緻密な計画が必要です。

「同じゲームなのに、別のゲームみたい」となるほどの変化があり、
 繰り返し遊ぶたびに新たな気づきと発見があります。


じっくり考える時間が好きな人へ。
『田んぼ -TANBO-』は、マンカラのような手番の運びに加え、
アクション条件の分岐、コマの個数制限、稲の色の選択など、
すべてがつながっていて、シンプルな構成の中に濃密な戦略が詰まっています。

ルールはそれほど難しくないのに、「毎手番、悩まないことがない」。
そう言いたくなるくらい、プレイヤーを飽きさせません。

小さな読み合いが積み重なり、稲作農家さながらに、気づけば田んぼ全体をじっと見渡している自分に気づくはずです。


こんな人におすすめ!

  • 田んぼや農村など、落ち着いた自然モチーフのゲームが好きな人
  • 自分のボードをじっくり育てていく感覚が好きな人
  • マンカラ系や、アブストラクト寄りの戦略ゲームが好きな人
  • じわじわ効いてくる“干渉”のあるゲームにワクワクする人
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