くぼりのゲーム紹介『ディッコリーの魔女の時計』
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魔女たちのわがままが、時間をねじまげる。
『ディッコリーと魔女の時計』で味わう、時を巻き戻すトリックバトル
古い森の奥の小屋で、2人の魔女の姉妹が競い合うように不思議な薬を煮込んでいます。
でも、材料は旬が命。欲しい効力を引き出すには、その“時”をぴたりと見極めなければなりません。
そんな無茶な願いに応えるのが、ちいさな使い魔、ねずみの「ディッコリー」。
彼の手で“季節の時計”が回され、世界は前にも後ろにも、自在に時を飛び越えます。
このカードゲームは、そんな魔女姉妹の意地とワガママがぶつかり合う、「時の支配」がテーマの二人用対戦ゲームです。
列の右端が「世界の中心」
『ディッコリーと魔女の時計』では、場に並んだ6枚のカードのうち「右端」が世界の“現在”を表し、
このカードの数字によって、1〜12のカード全体に“強さの順”が設定されます。
つまり、「2」が右端にあるなら「2が最強」「1が次に強い」「12がその次」……と時計回りに強さが決まり、
「3」が右端になった瞬間、その順番がガラリと変わります。
出せる役(シングル、ダブル、連番など)も決まっており、強さの優劣は「数字そのもの」ではなく「時間の位置関係」で評価されるという、独特のシステムです。
強い手を出したいなら、時間をねじ曲げる。
相手が強いカードを出してきたら、それに勝つには、より強いカードを出すしかありません。
でもその前に、「世界」を変えるという選択肢があります。
このゲームでは、列の右端からカードを最大5枚まで取って、自分の手札に加えることができます。
そうすると列が短くなり、右端のカードが別の数字に変わります。
この結果、「強さの順」がすべて塗り替えられ、さっきまで最弱だったカードが一転、最強になることも。
まさに“魔女の都合で時間がねじまがる”瞬間です。
カードを取ったあとは、直前の役を上回るものを出さなければなりません。
「時間を変えるだけ変えて、負ける」なんてことは許されませんね。
列を補充して時を巻き戻す「パス」
どうしても相手の役に勝てない、あるいはあえて勝ちにいかないときは「パス」を選ぶことができます。
このとき、列の一番右にあるカードを捨て、新しいカードを山札から補充。
これによって右端の数字が変わり、「時間の順番」もまた書き換えられていきます。
この“列の操作”がゲーム全体のテンポと心理戦に大きく影響しており、
単に強いカードを持っているだけでは勝てない、戦略の読み合いが生まれます。
1枚だけじゃ終わらない。進化する“役”の形
標準ルールでは、出せる役は5種類(シングル、ダブル、トリプル、クアドラプル、3枚連番)。
でも、ドック・バリアントを採用すると、2枚連番・4枚連番も使えるようになり、さらに自由度が増します。
さらに「ヒッコリー・バリアント」では、前の役に1枚だけカードを加えて役の形を“変化”させることが可能に。
たとえば「3-3」に1枚加えて「3-3-3」にしたり、「4-5」に1枚加えて「4-5-6」の連番にしたりと、
手札や状況を見て柔軟に変化できる仕組みが、勝負の幅を広げてくれます。
最初に手札を出し切った者が勝者
勝利条件はとてもシンプル。
どちらかが手札をすべて出し切った時点で、その人の勝ちです。
だからこそ、強いカードを温存するのか、序盤から仕掛けていくのか、
自分の“出口戦略”をどう描くかが非常に重要になってきます。
手札管理、列の操作、タイミングの見極め。
一つひとつの判断が勝敗に直結する、ギリギリの攻防が楽しめます。
こんな人におすすめ!
- 魔女が出てくる、世界観のある対戦型カードゲームが好きな人
-
手札を使い切るパズル的な構成に、計画性を感じたい人
- 「時計回りの強さ」や「列の変化」など、独特なルールにわくわくする人
- 大富豪のような、役の出し合いで駆け引きするゲームが好きな人